2022年に発生したルフィ広域強盗事件の首謀者の一部へのインタビューをもとに、事件の詳細を追ったノンフィクション
この事件はワンピースのルフィの名前を使っていたことでセンセーショナルに扱われた部分もあったと記憶しているが、この名を使用していたのは組織のボスではなく幹部の一人らしい。
ボスを含めた幹部たちは、それぞれ違った偽名を使っていた。
複数人の幹部が北海道出身。すすきのを根城にして活動していた時期があり、反社会的な人間とのつながりもあった。
普段飲みに行くだけでは感じにくいが、すすきのにもしっかりとアンダーグラウンドな部分があるということか。
この事件が報道された際にネットで話題となっていた例のタレントとのつながりもこのすすきので活動していた時期の出来事らしい。
様々な要因があって北海道にいられなくなり、そこから最終的にフィリピンに行きつくことになる。
フィリピンから日本国内の日本人をターゲットに特殊詐欺を行って莫大な金を稼いでいたらしい。
ただ、その稼いだ金をカジノや薬で無駄に溶かしていたというばかばかしい話で、悪銭身に付かずという格言を地でいっている。 フィリピンの刑務所に収監されたが、その刑務所の中から日本の実行役に指示をだして強盗事件を起こしたという流れ。
絶頂期から次第に追い詰められている様子が克明に描かれていてとてもリアリティがあった。
また、刑務所の中から自由に電話ができてしまうというのもすごい話であり、日本との感覚の違いを感じる。
そして、日本からの捜査の手が迫ってくると、フィリピン人女性の協力者に多額の金を払い、逃亡計画を練るが失敗。
日本の当局に身柄が引き渡されることになる。
はっきりと断定されているわけではないのだが、協力者に騙されていたのではないかという疑いを抱かせる筋書きになっている。
犯罪者が別の犯罪者に騙されるというのは別な事件でも聞いたことがある。
彼らの場合は協力者を疑いつつも最終的に頼れる場所がそこしかなかったというのは、情けない話ではある。
ただ、最初から騙されていたのではないかという疑いを感じさせる内容になっていて背筋が凍る。
初版:2026/7/1 読書期間:2026/8/27~28